暇つぶし

人生は死ぬまでの暇つぶしである

という格言は聞いたことがあるのではなかろうか。
ちなみに元ネタは知らない。
なんならこれを書くために調べたけどよくわかんなかった。
知ってる人は教えてくれ。

俺は常に中途半端な人間だ。
中学受験も大学受験も合格したのは第3志望までだった。
勉強は好きでもないが何もしていないと焦燥感に駆られ、身にならない勉強を繰り返した。
受験期になっても勉強に集中せず、「お前らそんなに勉強にマジになってどうした?」と斜に構えてはいたが、結局受験の結果は誇れるものでは無かった。
天才に憧れ、模倣しているだけの凡人なのだ。

部活動はどうか。
中学時代はアーチェリー部に所属したものの、部内でトップレベルのサボり魔だった。
運動は好きではないのに、親に運動しろと言われて入ったような部活だ、モチベーションの欠片も無かった
高校では囲碁将棋部に所属した。
部室を訪れてはゲームをしていただけであった。
結局崩し将棋五目並べしか出来ないという有様である。
結局高一で部活はやめたが、勉強に専念するかと言えばそんなことは無かった。

では趣味はどうだろうか。
他人に誇れる趣味はあるだろうか、他人に話せる経験や思い出はあるだろうか。
趣味と呼べるようなものは無い、面接で何も話せず、自分でも驚いた。
結局「睡眠とYouTube観賞です!」と答えたが、よく採用されたものだ。
そして人生経験は非常に希薄である。
思い出と言えば修学旅行くらいだろう。
ラスベガスで銃乱射事件があった時、近くにいたという経験はなかなか稀有ではなかろうか。


こういう類の人間がよくすることと言えば考えることである。
「死後の世界はどうなっているのだろう」とか「実はこの世界の他の人間は全てゲームのNPCなのでは」とか、そういうことを考えたことがある人は少なくないはずだ。
最近のマイブームは何故自分は生きるのかについて考えることだ。
ちなみに病んでいるわけではないぞ。

例えば神様が現れて、お前は明日死ぬか生きるかを選択できる、と言われたら、俺は間違いなく生きるほうを選択するだろう。
みんなも生きるほうを選択するんじゃないか。
しかし中途半端人間である俺は、生きるほうを選択する理由が特にないのである。
「明日も大学に行って友達、彼氏彼女と遊びたい」とか「明日も趣味の何かをしたい」とか、はたまた「明日も某アニメ映画を観たい」とかの欲求が無いからだ。
明日も昼頃に起きて、YouTubeを見て、Twitterをやって、寝る。
バイトがあればやるが、結局給料が欲しいからやるだけであって別にやりがいなんてない。
その稼いだ金も何か買いたいものがあるという訳ではなく、適当に浪費する。
ではどうして俺は明日も生きようとしているのだろうか、何に生きがいを見出しているのだろうか。

結局、答えらしい答えは見つかっていない。
そんな選択を迫ってくるような神など存在しないからのうのうと自堕落に生きているだけなのかもしれないし、その自堕落な生活に幸福を見いだしているのかもしれない。

俺に出来ることがあるとすれば、選択の余地も与えず、死を宣告するだけの死神が現れるまでの間、暫しの暇つぶしをすることだけである。